ホテルの調理場で働く知り合いから、かなりの量の刺身の切れ端をいただいた。客に出すことのできない部分だが、その日の新鮮なものなので生でいただくことができるとのことだ。しかし、その魚の中には何んとあの高級魚クエが混ざってあるとのことだ。他にも真鯛やブリといった結構値が張る代物とブレンドされているので、遠慮なくいただいた。
かなりの量に翻弄される
すでに漬けにされていた。醤油と出し汁とわさびで味付きにしてあった。
丼に載せて測ってみると身だけで重さが721グラムもあった。一人では食しきれない量だ。
しかし、見た目はやはり切れ端感は否めない。
では、いくつか取り出して味見してみる。
しっかり漬けになって3時間ほど経っている。
どれがクエなのか?
クエだけあって・?・クエッション。(失礼。)
生でいただく
皮付きサシが入っている!サーモン?
いただいてみる。
・!
うん脂がある。しかし、硬いな。皮が口の中に残る。
クエかな?
続いて結構黒い。尾の方だろう。ブリではないと思う。
いただいてみる。
・・
少し癖のある強い香りがする。これも硬いな。生では少しキツいな。
アジか何か青魚だと思うが正体不明。
さらにいただく。
・・
最初のと同じかなぁ。硬いな。クエ?真鯛?漁師さん教えてください。
さらに少し色の違う皮なしをいただいてみる。
・・?
真鯛かなぁ?細切れの硬い部分でしかも味付けされているので判別が難しい。
まだまだ修行が足りないな。海鮮マスターへの道のりは遠い。
数切れいただいてギブアップ!海鮮丼でフィニッシュしようと思ったが無理。
そこで、どうすべきか一旦箸を置いて考える。
これしかない!と思い立った簡単レシピ。
唐揚げにする
1. 取り出して片栗粉をまぶす。(3分の1ほど使用)
片栗粉が全体にくまなく行き渡らせる。
2. 180度くらいの油で軽く揚げる。揚げ過ぎない。1分前後くらい。
感覚的に引き上げていく。
出でよ!細切れたち。
3. 器に盛る
生まれ変わった君たちを歓迎する。
唐揚げの香りがたまらなく食欲とビールとをお駆り立てる。
果たしてどう生まれ変わったのか?
いただくとする。
!!!
!サクサク!中の身は柔らかい。白身魚のフライより遥かに旨い!どれもこれも旨い!
お!クエは揚げるとわかる。見た目の違いは他の魚と比べてもほとんど分からないが、口の中に入れてそしゃくすると微かなクエの旨味と全く癖のないクリアーな後味。さすが高級魚。
クエなかったのにクエる。(つい我慢できずに失礼。)
箸が止まらない。ビールも止まらない。
Wink 愛が止まらない (ついでに言わせて)
鳥の唐揚げよりさっぱりしていて、ヘルシーなので一瞬にして完食。
残った切れ端も冷蔵庫に戻して2日間でたいらげた。ほとんど味も落ちていず旨かったのには驚いた。
終わりに感じたこと
本来なら捨てられている部位だが、こうして切れ端でも簡単に贅沢な晩酌に変身させることができた。ここ最近は食品ロスの問題が声高に叫ばれるようになったが、特に大きなホテルなどでは全く問題なく食せるものがその日のうちに大量に処分されている。日本のいや世界のそういったものを全て合わせたら相当な量になる。さすがに生ものは管理や輸送など面で難しいかもしれないが、近隣の住民がそういったものを無料もしくは安価で入手できるシステムがあれば企業も消費者もWin~Winなのではないかと思う。( Winkではないがそうなるには 愛 がキーワードかも)硬い話はここまでにして、クエまたクエたら嬉しい。